最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

「助けてくれた理由は分かった、けど……僕を助ける必要なんてなかったはずだよ。それに君が怪我しちゃうかもしれない場面だったのに……何で?」

 な、何でって……。

「困ってる人がいたら、助けるのは当たり前です。……それに、暴力を受けている人を放っておくなんて……できません。」

 暴力は絶対にダメだということを、私は知っている。

『あんたがいるからあの子もあんな目に……!』

『ご、ごめん、な、さ……。』

 ……っ、嫌なこと思い出しちゃった。

 それを払拭するように頭を左右に振り、はぁ……と息を同時に吐き出す。

「君、変な人間だね。僕みたいな嫌われ者を助けるなんて。」

 彼の口から”嫌われ者”という言葉が出てきて、思わず彼へと視線を戻す。

 彼と視線が交わり、その瞳に映る影を垣間見ることが出来た。

 ……きっと彼も、辛い思いをしてきたんだろうな。

 同情、に近いのかもしれないけど……同情なんてしたらダメだ。

「嫌われ者、だなんて言わないでください。」

 だけど、それとこれとは話が違う。