最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ～最強さんからの優しすぎる寵愛～

「それは、あなたが暴力を……振るわれていたから、です。」

　本当なら、あの日のことはあまり言葉にはしたくない。

　暴力や喧嘩が怖いのは、よく分かっているから。

　だけど、途切れ途切れになりながらもなんとか言葉にして彼に伝える。

　彼のほうをちらっと見てみると、フードのせいでよく分からないけど怪我は大方治療してもらっているように湿布や絆創膏が貼ってあり、ほっと息を吐くことができた。

　怪我も酷いことにはなっていないし、ひとまずは良かった。

「じゃあ、何で僕をご丁寧に保健室まで連れて行ったの？」

「だ、だって、怪我を放っておいたら、酷くなっちゃうかもしれませんし……見ていられなかったので……。勝手なことして、ごめんなさい。」

　いくら怪我をしていたとしても、保健室まで連れて行くのはお節介だったかもしれないと思っていた。

　でもあそこで何か行動しないと……！なんていう使命感に駆られたから、連れて行ったんだ。

　だけどやっぱり……お節介、だったのかな。

　不安に思って思わず視線を下に下げると、彼の声が小さくも聞こえた。