最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 さっきまでざわついていたのに、妙に周りが静かになっている。

「ねぇ、観心君がいるんだけど……。」

「何であいつがいるんだよ。」

「まさか来るなんて思わなかったんだけど……関わらないほうがいいよね。」

 それにこそこそと良からぬことが聞こえてくるし……本当にどういうことなんだろう?

 今の状況について説明を求めようとして二人のほうに視線を動かす。

 けれどそこには、椅子だけがあって二人の姿はなかった。

 あ、あれ?ふ、二人ともどこに……あっ。

 きょろきょろと辺りを見回して、教室の出入り口にいる二人の姿を見つける。

 私も立ち上がってそこに行こうとすると、何やら話し声が聞こえた。

「やっと来てくれたのか、心配したんだぞ。」

「急に来るなんてびっくりだよ~。でも明李君が来てくれて良かった~。」

 二人が嬉しそうに誰かに話しかけている声が聞こえ、隙間から二人の視線の先を見る。

「あっ、この前の……。」

 フルボッコにされてた人だ……!

 二人の奥には昨日と同じようにフードを深く被っている男の子の姿を捉えることができた。