あの人、大丈夫だったのかな……。

 今朝のことがなんとなく気になり、ぼーっと考える。

 保健室で処置をしてもらったと言えど、傷に菌が入って化膿しちゃってたら大変だし……うーん、気になる。

「栞?どうしたんだ?」

 ぐるぐると頭を悩ませていると、隣から新さんが不思議そうに聞いてきていた。

 こんなこと話してもいいのかなぁ……と一瞬思ったけど、人に頼るってことも学んだほうが良いと考え、私はぽつりと今朝のことを話しだした。

「今朝、暴力を振るわれていた男の子を助けたんですけど、大丈夫だったのかなぁって思ってたんです。傷とかが化膿してたら大変ですし。」

「はっ……?栞、大丈夫だったのか!?怪我してないのか!?」

 私の話を聞いた新さんが急に焦って、そんなことを早口で言っている。

 そ、そんなに焦ることでもないと思うんだけど……。

 ふっとそう考え、私は新さんに大丈夫だと伝えるために微笑んだ。

「大丈夫ですよ、私は怪我してないです。」

 暴力も振るわれてないし、元気いっぱいですよっ!

 そんな気持ちを込めて新さんの見ると、まだ少し心配そうな瞳を新さんは向けてくれたけど、ほっと安堵の息を吐いていた。