最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 和向君も心配そうな面持ちでそう呟いている。

 私だってその明李さんにも学校には来てほしい。会ったことはないんだけど……。

 私もできることなら、仲良くなりたいなぁ……。

 私はそう思いながら、小さくため息を吐いた。



 翌日、迎えに来てくださった新さんと登校していつものように教室に向かう。

 通学バッグを置いて、ふぅ……と息を吐いた。

 時刻を確認して、まだ朝早いことを伝えられる。

 新さんと来るようになってから少し遅くなったけど、それでも早くて教室はがらんとしていた。

 疾風君と和向君、朝は強いほうらしいけどやっぱりまだ早いよね。

 登校完了時間までまだ三十分以上あり、人の気配もしない。

 ……せっかくだから、少しだけ校舎を見て回ろうかな。

 創さんに始業式の時に案内されたけど、まだ分からないところだらけだ。

「よし、行ってみよう!」

 あの出来事があって以来、一人で出歩くのが少し怖くなったけど、そんなこと言ってたらいつまでたっても弱いままだ。

 私は両手で拳を作って「おー!」と言って、勇んで教室を出た。