最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 だけど……嬉しかった。

「……っ、新さん、優し、すぎます……っ。」

 こんなただの人間に、ここまで優しくなくても良いんじゃないかって思ってしまう。

 その優しさがまた、雫になって零れ落ち始めた。

 新さんはそんな私を見て、優しく引き寄せてくれた。

 背中をポンポンと叩かれ、次第に落ち着いていく。

 ほっと安心して息を吐いた時、新さんがこんな事を言いだした。

「はぁ……あいつ、潰すか。」

 つ、潰す……っ!?

 物騒な言葉が聞こえてきて、思わず涙が止まってしまう。

 驚いて目を見開いている私に、新さんは「当たり前だろ」と言うような表情をしていた。

「お前をこんな目に遭わせた奴なんだ、生きて帰すわけがないだろ?」

 「だろ?」と言われましても……元は私が編入してきたのが引き金なんだし、来栖さんは悪くないと思う。

 それにそのせいで来栖さんが酷い事されたら、私が耐えられないかもしれない。

「あの……私は全然大丈夫なので、そんな事しなくても……。」

 お人好しだって事は分かってる。

 でも、この事で来栖さんが嫌な目に遭うのは……嫌だった。