最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 新、こんな奴だったとはな……。

 この時初めて、恋で人は変わるということを知った。

 新は人嫌いだし、御曹司だが婚約者は作らないと公言しているくらいだし……やっぱり柊木は何者だよ。

 堅物新を……こんなに惚れさせるなんて。

「おい、用が済んだならお前はもう帰れ。」

 また低い声でそう言ってくる新に、もう何も返せるものがなかった。

 苦笑いも出せないほど、呆れてしまっていたから。

「相変わらずだな、お前。……独占欲の塊じゃねぇか。」

 吐き捨てるようにさっさとそう言い、俺は新のお望み通りさっさと帰ることにした。

 こんな空間、いられるか。

 心の中でもう一度悪態を吐き、俺はテレポートで自分の部屋へと戻った。



 はぁ……まさかあいつがあんなに変わるとはな。

 だが、そんな状態にさせた柊木は俺にとって興味深い奴でもあった。

 柊木に関しては名前以外全く情報がなかったし、余計に興味が湧いた。

 普段なら俺は”元宮神菜”にしか興味を示さないが……ここまで興味深い奴が現れるとは思ってなかった。

 元宮神菜は人間じゃないだろ、と思うくらいの奴だから興味があるが……柊木も同じようなものだ。