だが柊木は……。

「いえ、大丈夫です。」

　と、申し訳なさそうに眉の端を下げながら新に言っている。

　……変な奴だな。

　新に言えば俺なんて何とでもできるのに、柊木は何もしない。

　むしろ、罪悪感を持っているような表情までしてしまっている。

　何なんだ、こいつは。

「新、そいつと会わせてやるって言ったのはお前だ。早く見せろ。」

　若干見えてるとはいえ、完全に見えるわけではない。

　とりあえず瞳だけでも確認したいんだが。

　最初に言ったのは俺だが、お前もこう言っていただろう？

　『お前も栞と関わることになるだろうから、栞と会っとけ。……まぁ、会わせたくないがな。』と。

　過保護、独占欲ヤバ……と考えながら、新に悪態を吐くように言い捨てる。

　新は俺の言葉を聞き、面倒そうにため息を吐いたがすぐに柊木を見せ、俺のことを説明していた。

　それを聞いて柊木は何かを考えこむようにして視線を下げた。

　うーんと変に唸った後、思い出したように顔を勢いよく上げた柊木。

　そのタイミングで柊木と視線が合い、瞳を間近で見る。

　……こんな奴、マジでいたのかよ。