最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 そんな新さんの声が頭上から聞こえてきて、思わず顔を上げた。

 新さんの表情は不機嫌そうに見えて、相変わらず翔葉さんを睨みつけていた。

 新さんに、また気を遣わせちゃったな……。

 どうしたら気を遣わせないでいられるんだろう……と考え込む。

 すると不意に、翔葉さんの声が聞こえた。

「……柊木、すまない。別に嫌ってはいないんだ。」

 驚いて翔葉さんのほうに視線を動かすと、翔葉さんは視線を逸らしながらも難しそうな顔をしていた。

 私はその表情が見ていられなくて、慌てて左右に首を振る。

「い、いえ……。私も、勝手に勘違いしてごめんなさい。」

 しっかりと翔葉さんの瞳を見て、そう謝る。

 元はと言えば私のせいだし、翔葉さんは何も悪くないっ……。

 申し訳ない気持ちでいっぱいになって視線を下げると、ふっと笑った声が私の耳に届いた。

「やっぱり……柊木は、新が認めただけあるな。面白い奴だ。」

 お、面白いって……誉め言葉として受け取って良いのかな?

 私に面白い要素なんかないと思うけど……とぐるぐると考える。