最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 これも人伝だから本当かは定かじゃないけど、そう考えるとこの彼は新さんとは親密な関係?って事になるんだろう。

 ……って、呑気に考え事してる場合じゃないよね。

 私も自己紹介しなきゃダメだよね……と思って顔を上げると、翔葉さんとパチッと目が合ってしまった。

 ……び、びっくりしたっ……。

 急な事で瞬きを繰り返して呆然としていると、何故か翔葉さんは顔を背けてしまった。

「本当に新の言う通りだったな。こんなにも目が澄んだ奴がいるのかよ……。」

 小さな声で何かを呟き、口元を押さえている翔葉さん。

 大丈夫、なのかな……?

「翔葉さん、大丈夫ですか……?」

 体調が悪いのかも、と考えて声をかけてみる。

 その言葉に、翔葉さんはあからさまな反応を示した。

「……っ、いや、何でもない。」

 一旦視線を合わせてくれたけどすぐにまた逸らされてしまい、少しだけ悲しくなる。

 でも仕方ないよね。私が嫌われてるって事は百も承知だから、今更どう思われようが……。

「翔葉、栞を悲しませるな。」