あの日……新さんが私を助けてくれた日からいじめはすっかりなくなった。

　数日経った今でも、いじめにはもう遭っていないし穏やかに学校生活を送れている。

　でも……新さんを後ろ盾に持ってるみたいで、結局は新さんに助けてもらっているだけ。

　私の力ではないから、やっぱり申し訳ない。

　あの後来栖さんもどうなったのかは全く分からないし、少しだけ変に感じてしまう。

　新さんには感謝してもしきれないくらいに助けてもらってるのに……私ってわがままだなぁ。

　頼るって事もよく分かっていないし、もしかして私って物分かりが悪いのかも……。

「ねぇ二人とも、私って物分かり悪いのかな……。」

　授業の合間の休憩時間に、ついそんな言葉を出してしまう。

　返答に困るであろう疑問を、二人につい無意識に洩らしてしまった。

　やってしまった……と思っても、もう遅く目の前の二人は考え込む仕草をしている。

「物分かりが悪いっていうか、何て言うかなぁ……。」

「うーんとね～……。あっ、しーちゃんは物分かりが悪いんじゃなくて鈍感さんなんだよ～！」