最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 そんな疑問が頭の中を駆け巡る。

 だけど今は、そんな考えさえも上手く纏まらない。

 その時、新さんのスマホがバイブレーションしながら音を上げだした。

 新さんはちっと舌打ちをし、忌々しそうにしながらも電話に出る。

「何だ、翔葉。」

 その乱暴な言い方に、私は思わず目を瞠ってしまった。

 新さん、さっきもそうだったけどこんな声も出すんだ……。

 低くて地を這うような、震えあがりそうな声。だけど私に話しかけてくれる声は、いつでも優しい。

 それは、どうしてなんだろう……?

「あぁ、栞も無事だ。怪我はしていない。いろいろとありがとな。」

 そう言ってさっさと電話を切ってしまい、私のほうに向き直った。

「悪いな。だが翔葉は信頼できる奴だから安心しろ。」

 そんな事言われなくても、新さんのお友達だったらきっと優しい人に違いない。

 でもそんな事言える余裕なんて今の私にはなく、こくりと首を縦に振る事しかできなかった。

 それでも新さんは満足そうに微笑み、私の頬を撫でた。

「栞、こんな目に遭わせてしまうまで耐えさせてしまって……本当に悪かった。頼れって言ったのにこれじゃあ、あてにならないよな。」