最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 私はそんな複雑な気持ちを抱えたまま、新さんと一緒に昇降口から学園内へと入る。

 その時、周りの様子がやけにおかしい事に気付いた。

「あいつが柊木栞だろ? 神々の権力を手にしたっていう。」

「しっ。そんな事聞かれたら、あたしたちまで処罰受けちゃう事になっちゃうよ!」

「どこまでが手を出すなのかが分からないから、何にもできないよね……。」

 それに、何だかひそひそされている気がするし……いつもと様子が違うような?

 そんな疑問を一人で膨らませていると、新さんが姿を見せた。

「栞、どうしたんだ?」

「……な、何でもないです!」

 新さんにそんなことを尋ねられ、変に声が上ずってしまった。

 新さんは少し怪しそうにしながらも追及はしてこず「行くぞ。」とだけ言って、私の隣についた。

 そのまま二人で教室がある階へと上がる。

「本当にいいのか?」

 階段で別れる時、新さんがそう聞いてきたけど私は首を縦に振った。

「はい、大丈夫ですっ! 送ってくださって、ありがとうございますっ。」

 笑顔でその言葉に返すと、新さんは私の頭を撫でてからこう呟いた。