最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 その表情で、どれだけあの二人を信頼しているのかが伝わってきた。

 だが……やはりあの事は言わないんだな。

 あの二人から聞くに、栞は呼び出し以外にもいじめに遭っていたはずだ。

 それを言わないって事は、あの二人が言うように、意図的に隠しているのだと分かる。

 栞は優しいから、きっとそんな事を言いたくないんだろう。

 栞のことだから、変に気を遣って言わないんだろう。

 それが……凄く悔しい。

 そんな心配もさせないくらい、俺に愚痴を吐けるくらいに頼ってほしいのに……頼られないのが悔しかった。

 きっと栞は一人で全て抱え込んでしまっているのだろう。一人で終わらせようとしてしまうのだろう。

 ……だから。

「栞、これからは些細な事でも……俺に言え。」

 俺を……遠慮なく頼ってほしい。

「何でも俺に言え。お前の不安を全て消し去ってやるから。」

 お前が充実に学園生活を送れるように、何でもしてやる。

 お前が幸せになれるのなら、何でもやってやる。

 突然の俺の言葉に栞はおもむろに足を止め、何かを噛み締めるように俯いていた。