最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 ……はぁ。可愛すぎるだろ……っ。

 きっと栞は昨日の事があるから、俺のことを頼ってくれているんだと思う。

 だからその言葉は純粋な信頼だと、分かってはいる。

 だが……それだけでもこんなに舞い上がってしまうほど嬉しいものだとは、思っていなかった。

「そうか。」

 そんな感情を見せないように短い言葉で返す。

 本当は抱きしめてしまいたいほど、感情が高ぶってはいるんだがそんな事はしない。

「栞、行くぞ。」

「は、はいっ……!」

 栞にそう声をかけ、学園へと向かって歩く。

 ……ヤバすぎだろ……っ。

 好きな女がこんな近くにいるだけで心臓はうるさく高鳴るものなんだなと、呑気な事まで考えてしまう。

 あー……ちょっと耐えられないな。

「栞は疾風と和向のこと、どう思ってるんだ?」

 気を紛らわせたくて、前々から気になっていた事を聞いてみる。

 栞はその言葉を聞いて、即座にこう言い切った。

「二人とも、とっても優しいです。人間の私に声をかけてくれて、仲良くしてくれて。」

 顔を綻ばせながら、言葉をゆっくりと紡いでいく栞。