「あ、新さん、昨日は本当に……迷惑かけてしまって、ごめんなさい……!」

 翌日、学校に行く道で新さんに改めて謝り、勢いよく頭を下げる。

 あの後私はまた勝手に眠ってしまったみたいで、勢いよく新さんに頭を下げる。

「いや、気にするな。」

 新さんはいつもの柔らかい表情でそう言ってくれたけど、私はそうはいかなかった。

 き、気にするなって……ベッドも使わせてもらっちゃったし、昨日散々泣いてしまったし……。

 気にしないほうが無理な話ですよ……と思ったけど、私は流れで首を縦に動かしてしまった。

 そんな私を見て、新さんはまた私の頭を撫でてきた。

 うー……やっぱりなんだか物足りない気がしちゃうなぁ……。

 これだけ良くしてもらっているのにまだ不満があるのか、と怒られそうだったけど、そう思わずにはいられなかった。

 なんだか、子ども扱いされているみたい……。

 でも、どうして急にこんなこと思うようになったんだろう?

 この前までは何とも思わなかったのに……むしろ恥ずかしいくらいだったのに、今は足りないって思ってしまう。