最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 その様子から急いできてくれた事が伝わってきて、頬がだらしなく緩むのを感じた。

「あ、新さん、待ちました、よね……? すぐに出てこれなくて、ごめんなさい……。」

 申し訳なさそうに俯く栞。

 そんな姿が可愛くて、栞の頭を撫でた。

「いや、待ってない。さっき来たところだから。」

 本当にさっき来たばかりだから、何も心配する事はない。

 そうやって頭を撫でていると、俺の気持ちが伝わったのか栞は顔を恐る恐る上げた。

「ほ、本当ですか……?」

 信じていなさそうな様子の栞に、短く「あぁ、そうだ。」と答える。

「もう少しゆっくり準備してても良かったんだぞ?」

 栞の為なら何時間でも待ってやるのに、ものの数分で来てくれた栞にそう言う。

 女は準備に時間がかかるというが、栞はそれを覆すような勢いだ。

「で、でも、新さんを待たせると、ダメですし……。そ、それに……。」

 俺の言葉を聞いた栞はそこで一旦自分の言葉を切り、頬を綻ばせながら口を動かした。

「新さんといると、安心できるから……早く、新さんに会いたくって……。」