最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

「なら、何か悩み事でもあるのか?」

 な、悩み事ってわけでもないけど……。

 本当にただぼーっとしていただけで、考え事をしていたわけでも悩み事をしていたわけでもない。

「そ、そういうわけじゃなくて……えっと……。」

 何て答えたらいいのか分からず、口ごもってしまう。

 その時、ある声が私の耳に届いた。

「来栖……?」

 ――え?来栖、さん……?

 新さんが隣で何故か、来栖さんの名前を発している。

 それに新さん、向こう見て……え?

 新さんの視線を辿り、私もそっちのほうを見てみる。

 その視線の先には……こっちに向かってきている来栖さんの姿があった。

 新さんはすぐに立ち上がり、私を背に隠すようにして私の前に立つ。

 新さんは背が大きいから背伸びしても前の様子は分からないけど、隣から覗き込むことはできた。

 そこにはやっぱり来栖さんがいて、思いつめたような表情を浮かべている。

「おい、何の用だ。わざわざお前がこの時間に、ここに来るなんて。」

 新さんがドスの利いた声で、そう来栖さんに尋ねている。