ご飯の後、新さんも帰ってしまって今は私一人。

 お気に入りのマグカップにカフェオレを入れて、ソファに座っていた。

 テレビを点けていない為、音は何も聞こえない。

 強いて言えば、魔力の流れかな。

 でもオフの時も魔力を感じるってことは、きっと私の魔力が相当高くなってしまっているということ。

 魔術師は大抵、魔力を持った人間のことを指す。

 この国には私だけしかおらず、世界中を探しても数えられるほどらしい。

 だけど私はその中でも、特別な能力を持って生まれてしまった。

 それは……”魔力を使う度に、魔力の質が上がってしまうこと”と”魔力上限がないこと”の二つ。

 本来なら、魔力を持つだけでそれ以外の能力は持たない。いや、持てるはずがない。

 人間の体は脆く、魔族や人外みたいな耐久性はないに等しい。

 だから持って生まれても、長くは生きられるはずがない。

 でも私は……その能力二つを持ってても、平気で生きられている。

 だけどそれは……私にとって、喜べることでも何でもなかった。