最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 ……って、私のお願いを聞いてくれたなんて確証はないよね。

 でも来栖さんが変わってくれようとしているんだって知れて、良かった。

「ふーん。あの来栖がねぇ……。変な食べ物でも食べたとか?」

 あ、あはは……明李君は嫌そうな顔してる……。な、何でだろ……。

 私がいじめられていたことを話してから、明李君は何故かZenithのこと、特に来栖さんを目の敵にしだした。

 理由はよく分からないけど、もしかして私の為に怒ってくれているのかな?

 一瞬そう考えたけど、すぐに首を左右に振る。

 ううん、そんなわけない。自惚れすぎかも、私……。

 そんな自分が恥ずかしくなって、頬をペチペチと叩いた。

「栞?何で頬っぺた叩いてるの?」

「えっ、た、叩いてないよ……!」

 苦しすぎる否定を咄嗟にしていまい、慌てて苦笑いを零す。

 だけど明李君はそんなことを気にしていないようで「そっか。」と言ってから、私を抱きしめる力を強めた。

 ……で、でも。

「何でお前がいるわけ?栞は僕のなんだから、引っ付かないでくれる?」