指定の場所に降り立ち、さっそく魔獣を退治する。

 この前と同じ暴れ方をしていて、来栖さんがやった可能性が高くなった。

 こんなこと、何でするんだろう……。

 魔獣は狂暴化さえしなければ、大人しくて可愛い生き物。

 魔獣をペットにしている人もいるくらい、害のない生き物のはず。

 だから人の手が加えられた魔獣を退治するのは、凄く心苦しい。

 できるだけ苦しみを与えないように、いつものやり方で眠らせる。

 その後、その魔獣をテレポートで移動させ、元居た場所まで返す。

「ふぅ……。」

 一通りすべてを終わらせ、静かに息を吐く。

 そしてすぐに神経を尖らせて、気配を探った。

 ……来栖さん、多分いる。

「来栖さん、いるなら出てきてください。」

 私は思いっきり大きな声で言い、いるはずの来栖さんへと呼びかける。

 その瞬間、私の頭上に魔力で作られた檻が降ってきた。

「……っ!?」

 間一髪で避け、肩で息を繰り返す。

 ……来栖さんがいることは、ほぼ確定だ。

 来栖さんの目的は私を捕まえることらしいから、ある程度の作戦は練ってきているはず。