最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 確か皐月君は高等部一年。こことは離れているはず。

 もしかしてめいちゃん、私に会いにわざわざ来てくれたの……?

 めいちゃんは相変わらず、私の頬に顔をすりすりしていて嬉しそうな表情を浮かべていた。

 その時、疾風君がめいちゃんの首を掴んで私から離した。

 まるで親猫が子猫を持つような感じで。

「おい、お前何なんだよ?栞に何か用なのか?」

「むぅ~、やっぱり獣族って野蛮っ!」

 疾風君は胡散臭そうにめいちゃんを見据えていて、めいちゃんは足をじたばたさせて暴れている。

 和向君も珍しそうにめいちゃんを凝視していて、思わず私は苦笑いを浮かべた。

 あはは……めいちゃんが少し可哀想な気が……。

 流石にここに来ただけでこんな扱いは少し可哀想な気がしている。

 疾風君も和向君もきっと悪気はないんだろうけど……うー、難しい。

「栞ちゃん!この人たち怖い!」

 やっと二人から解放されたのか、めいちゃんが半泣き状態で私にしがみついている。

 何故か明李君はめいちゃんを睨みつけているけど、今はめいちゃんを泣き止ませないと。