最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ～最強さんからの優しすぎる寵愛～

　そう尋ねると、今度は和向が焦ったような言いにくそうな様子でこう言った。

「しーちゃん、今回が初めてじゃなくてこれまでもいじめに遭ってたんです。」

　……確かにそれは、栞から聞いた。

　まぁ、聞いたといっても呼び出しの事しか栞は言わなかったけどな。

　だが……それがどうしたんだ。

　視線でそんな疑問をぶつけていると、和向は口ごもりながらも教えてくれた。

「机に落書きだったり、時折女の子たちに呼ばれてどこかへ行ったり……。その時、いつも頬が叩かれたように赤くなっていたんです。」

　……何？

「お前らはその事を知っていた……のか？」

「……はい。だけど栞が言わなかったから、本当の事は分からなかったんです。」

　俺の言葉に迷いながらも、そう言ってくれた疾風。

　まさか栞は、誰にも言ってなかった……ということなのか？

　……チッ。

　俺はそれにも、気付いてやれなかったのか。

　何故そこまでして……他人に言わない？

　そう疑問に思っていた時、和向がこんな事を言った。

「きっとしーちゃんは優しいから、心配かけないようにって言わなかったんだと……僕は思います。だから、じゃないでしょうか？」