最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 先輩は訳が分かっていないのか、きょとんとしている。

 きっと先輩は鈍感なんだ。だったら、気付かなくていい。

「あははっ、先輩……やっぱり変な人間ですね。ふふっ……。」

 先輩は人間だけど……他の人間とは、違う。

「先輩は他の人間とは何かが違いますね。」

 何が違うのかは、もう一目瞭然だ。

 人間は自分勝手な生き物。その考えはきっとこれからも変わることはない。

 でも、柊木栞……先輩だけは、優しくて素敵な人間だ。

「先輩は良い人間……なんですね。」

「そ、そうなの、かな……?」

 自分では本気で分かっていないような先輩に、自然と頬が緩む。

 ふふっ、やっぱり鈍感なんだ。

 でも……先輩の鈍感さを利用しない手は、ない。

 僕はきっと、先輩を好きになっている。

 これまでのことは簡単には許されない行為だ。それも先輩に償っていく。

 だから……頑張るから、僕のことを見てください。

 自分勝手だって、自己中だって分かってる。だけど僕のことも、意識してください。

 相手は神々で、きっと手強いんだろう。