最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 いや、来るの遅いって……お前に言われる筋合いないんだけど。

「もう皐月、何してたの!」

 ぷくーっと頬を膨らませて怒っている様子のめいに、そっくりそのまま返してやる。

「お前こそ、その人間と何してたんだよ。」

 めい、お前人間とは馴れ合わないって言ってただろ?何でお前が人間といるんだよ。

 めいに正直な気持ちをぶつけると、めいはふふんと頬を緩ませた。

「栞ちゃんは死にかけてためいを助けてくれた命の恩人なの!そんなつっけんどんな態度取らないで!」

「取ってないけど……。」

 ……って、この人間がめいを助けたの?

 確かにいつもボロボロで帰ってくるめいなのに、今日はやたらと小綺麗だった。

 弄ばれて破れたであろう布の場所も、きちんと縫い直してある。

 服も少し汚れてはあるものの、誘拐される前とそんな大差ないくらいだった。

 この人間が、全部したのか……?

 ちらっと人間のほうを見てみると、嬉しそうににこにこと笑顔を浮かべている。

 何でそんなに笑ってられるんだよ。僕は前にお前を殺しかけたはずなのに。