「栞~、昨日の風凄かったねっ!そのせいでね、僕なかなか寝られなかったんだよね……。」

「明李君。もしかして、眠たいの?」

「うん、すっごく。」

 休憩時間、いつも通りに三人と談笑をする。

 やっぱり寮のほうでも風は強かったみたいで、停電の被害もあったみたい。

「急に電機消えたのはびっくりしたけどな……。」

「ほんとだよね~。急にパチッて消えちゃったんだもん!しーちゃんのところは大丈夫だったの~?」

 突然和向君にその話題を振られ、反応が遅れながらも首を縦に振った。

「うん、凄かったね……。でも新さんがいてくれたから、安心だったよ!」

 新さんのおかげでぐっすり寝ることができたし、本当にありがたかった。

 素直に笑顔でそのことを言うと、何故かみんなは揃って目を丸くさせた。

「え、ちょ、そ、それどういうことだよ……!」

「んーと、しーちゃん、もう少し分かりやすく説明してもらっても、いいかな~?」

「……。」

 疾風君は妙に焦っていて、和向君は驚きながらも冷静に聞き返してきている。

 明李君に至っては……口をぽかんと開けてフリーズしていた。