栞が望まないのなら俺は何も手出しはしないし、やるつもりも……ないはずだ。

 まぁ……栞に危害を加えたら、今度こそ地獄送りにしてやるが。

 ……考えだしたらキリがないな。

「はぁ……。」

 怒りを鎮めるために俺は息を吐く。

 とりあえずは……またAnarchy室に行くか。

 正直、講堂に行ってもう一度直々に忠告しようと思ったが、そうすれば栞に何て言われるか分からない。

 勝手な事をして栞を悲しませたくない……が。

「そんなの、無理だよな。」

 俺は自分のスマホを取り出し、全校生徒へとある通達を送った。

 こんなことができるのは、俺がAnarchy代表だから。

 代表なんて立場、要らないと思っていたがこんなところで役に立つとはな。

 前の代表から勝手に押し付けられていたが……今は感謝しなくちゃいけない。

 メールを一斉送信した後、俺はテレポートでAnarchy室に戻った。

 はぁ……テレポートはやはり、神力の消費量が多いな。

 神力は何故だか知らないが、テレポートには向いていない。

 そこが弱点だが……他のものには力を発揮してくれるから良いだろう。