最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

「お前から頼ってくれたんだから、当たり前だろ。お前の気が済むまでここにいる。」

「あ、ありがとうございますっ……!」

 本当に新さんは、素敵な人だっ……!

 新さんがいてくれてるという事実に浮かれ、私はつい新さんに抱き着いてしまった。

 ふふっ、やっぱり新さんといると落ち着く……。

「まさか、栞が暗闇が怖いなんて思わなかった。この前の歓迎会の時は平気だったから、尚更な。」

「じ、実はそうなんです……。短い間は大丈夫なんですけど、長い間は……。他にも大きな音やおばけとかは、む、無理なんです……。」

 雷や風の音も本当に無理で、眠れないこともよくある。

 魔術師なのにお化けが無理なのは本当に馬鹿らしいけど、そういう存在しないものは怖いっ……。

「そ、そういう新さんは……怖いものとか、あるんですか……?」

 この人はなさそうだっ……と思いながらも、そんな質問を投げてみる。

 新さんは少しだけ思案するように唸ると、その瞬間スパッと言った。

「怖いもの、か……。ないとは思うが、強いて言えば怒った親父は怖いかもな。」

 えっ……新さんも怖いもの……いや、人がいたんだ……。