ご飯のお願いをした日から、新さんは毎日のようにご飯を一緒に食べてくれた。

 今日もルンルン気分でご飯の用意をして、新さんとテーブルを囲む。

 全ての行程が恒例行事のようになっていて、慣れつつあった。

「やはり栞の作る飯は最高だな。」

「言いすぎですよ、新さん。」

 いつも新さんはこうやってストレートに褒めてくれるけど、そんなに大したことじゃないと思うなぁ……。

 料理もほとんど趣味のようなものだし、家事だって楽しいから飽きていないだけ。

 でもやっぱり、褒められると恥ずかしくなってしまう。

「最近は、嫌がらせとかされていないか?」

「え?……は、はいっ!最近、というか新さんに助けてもらった日からは全く……。」

「やはり牽制は効果があったな。」

 け、牽制ってあのメールのことかな?メールだけでやめさせられるなんて、きっと新さんだけにしかできないと思う……。

 こっそり心の中でそう思っている時、不意に全く関係ない疑問が浮かび上がってきた。

 今更、かもしれないけど……新さんって、普段ちゃんとご飯食べているのかな?