最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

「なぁ……新。」

「……何だ。」

 その時、ふと翔葉が神妙な面持ちで口を開いた。

 普段なら無視をするが、こんな表情をする翔葉をあまり見たことがなかった俺は思わずそう尋ねた。

 何だ、用があるなら早く話してくれないか。

 早く話せ、という視線を翔葉に向けると、ゆっくりと翔葉は口を動かした。

「柊木、本当に”ただの”人間なのか?」

「……どういう意味だ、それは。」

 ただの?翔葉の言いたいことがよく分からない。

 あいつからは魔力も別の力も感じられない、無力な一人の人間だ。

 再び俺がそう尋ねると、翔葉は神妙な面持ちのまま言葉を続けた。

「だってよく考えてみろ。柊木が受けていたいじめは魔力を使っていたものもあった。だが柊木は無傷で驚いた様子も見せていなかったということだ。それに来栖の能力はそれなりに高く、魔族でもすぐに音を上げるものも……柊木は平然としていた。未だ柊木の情報は全くと言っていいほど出ていない。それがおかしいと思わないのか?」

 ……翔葉の言いたいことも、なんとなくは見えた。