最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 本当に、どうしてあそこまで愛おしんだ……。

 恋敵がいるってのは厄介だが、そんなのを気にしないくらい、俺はあいつを愛している。

 栞は俺のことを意識してくれていないようだが、仕方ないことなのかもしれない。あそこまで綺麗な心持ってる奴だからな。

 ……考えだしたら、やっぱり止まらなくなるな。

 自制は日に日に利かなくなっていって、無理やり打ち消すように足を動かす。

 だがそれでも、頭の中は栞への愛おしさで溢れかえっていた。

 やはり、あいつは俺のことを壊しに来ているよな。

 そんな考えをぼんやりと持って教室に行こうとする。

 その時に、忌々しいあいつの声が聞こえてきた。

「神々。」

 その忌々しい声で名前を呼ばれ、振り返るのも煩わしく声だけを発した。

「……何だ。」

 自分でも驚くほどのドスが利いた地を這うような声が発せられ、俺はそいつに返す。

 その瞬間、そいつが殴りかかってくる気配が感じられた。

 分かっていた俺はすぐさま身をひるがえし、そいつを思いっきり睨みつける。