それは分かっていたけど、やっぱり私には……これしかできないと思ったから。

「新さんが良かったらですけど、あの……たまにで、いいので……私と一緒に、夕食……食べてくれませんか?」

 返答が怖くて咄嗟に下を向いてしまう。

 こんなお誘い、やっぱり変だよね……。

 私にはご飯を振る舞うことしかできないから、そんなことでしかお礼ができない。

 変なお願いしたから、呆れられちゃうかも……と身構える。

「あぁ、もちろんだ。」

 でも、身構えた私に聞こえてきたのは嬉しそうな新さんの声だった。

「え……?い、良いんですか……?」

 こんな変なお誘い、というかわがままを言ってしまったのに……そんなに快く了承してくれるだなんて……。

 私の問いに新さんは当たり前とでも言わんばかりの表情で、こう言い放った。

「栞から頼ってくれたんだ。了承しないわけがないだろ。……それにそれは、わがままには入らない。だから安心して、もっと俺を頼ってくれ。」

 ……ふふっ、やっぱりこの人は、優しすぎる人だっ……。