……うーん、やっぱり腑に落ちないなぁ。

 今日も今日とて、高等部内の見回りをしているんだけども邪気が偏りすぎている。

 やっぱり西棟が強くて、他の棟はそうでもない。

 それが編入した時から不思議で、違和感を抱いている部分だった。

 ノートを見直してみたり、文献を漁ったりしてみるも、前例はさっぱりなくお手上げ状態だった。

 うーん……どうしたらいいのかな……。

 原因が分からなかったら対処法も分からない。

 今までこんなことは体験したことなかったから、興味はあるけど……もし生徒さんたちに被害があったら……。

 そこまで考えた時、近くで聞き覚えのある声が聞こえた。

「神菜さん。お仕事お疲れ様です。」

「そ、創さん。創さんもお疲れ様です。」

 そこには困ったように眉の端を下げている創さんが立っていた。

 あれ?どうしたんだろう……?

 困った顔をしている理由がなんとなく気になり、とりあえず聞いてみることにした。

「創さん、何か困り事ですか?」

 余計な言葉を付けずダイレクトに聞いてみると、創さんはあははと乾いた笑みを零した。