風羽の奴、えげつない事するなって言われてたのにまさかあんな手段を使うなんてね……。

 大人しく風羽が聞くとは思ってなかったけど……あんな事するなんてそれこそ思ってなかった。

「あの子、大丈夫だったのかな……。」

 ……いや、あんな大衆の面前で脅し紛いなことをされたんだ、大丈夫なわけがない。

 風羽の魔術はトップクラスのものに入る。高度な技術と質の高い魔力が。

 それこそ、魔族でも怯んでしまうくらいの。

 だからあの子が風羽の魔術に耐えられてたのが、不思議だった。

 でも流石に……今回風羽がしたことは犯罪レベルの許されないことだ。

 風羽はきっと、いや絶対謝りにはいかないだろう。プライドも高いからね。

 盛り上がってた場面を神々に壊されて、凍りつくような言葉も浴びせられたんだ。風羽のプライドはズタボロだろう。

 咲空も絶対行かないだろうし、皐月も……うん、みんなプライドが高すぎる。

 でも謝らないと、人として、高貴な魔族として……きっとダメだ。

 ……まぁ、こればっかりは仕方ない、か。