最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 分かってるから今、こんなに打ちひしがれている。

「私って……やっぱりダメなのかな。」

 どこに行ってもこんな邪険にされてしまう。理由なんて分かり切ってるから、それが余計に辛い。

 私が魔力を持っているせいで、こんな風になってしまう。

 だけど……仕方ないの、かな……。

 魔力を持つなんて誰も思いもしなかっただろうし、私だって小さな頃は信じられなかった。

 でも実際、魔力を使うと嫌な事を忘れられたんだ。

 だけど同時に、何かを失うような感覚にもなるから……どうとも言えなくなる。

 また溢れ出した涙を拭う為に、眼鏡を外す。

 きっと眼鏡は外していても、ウィッグの前髪が長いせいで元宮神菜だとはバレないはず。

 泣いてる姿なんて、新さんには見せたくないな。

 散々泣いておきながら今更何言ってるんだって話だけど、別の理由で泣いてしまったのはどうしても見せたくなかった。

 そう思って涙を拭っていると、目の前のドアがガチャッと開いた。

「悪い、遅くなった。」

「いえ……大丈夫、です。」

 私のことなんて気にしなくていいのに、気遣ってくれる新さんに思わず頬が緩む。

 新さんはそんな私を不思議そうに見ながらも、ゆっくりと隣に腰掛けた。