ほどけるいと。

「さっき泣かされた仕返しっ!」

「あ? あれは勝手に」



聞こえてないはずなのに,ぎゃーぎゃー騒ぐ真鈴を置いて,スマホからくすくすと落ち着いた笑い声がした。



『真鈴? ふふっ…私も』



突然聞こえた琴音ちゃんの声に,真鈴は動きを止めてカッと赤くなる。

真鈴,そんな顔になるんだ。

感心しながら



「だって,良かったね」



私はまた真鈴をからかった。

ほんとは誰より,すっごく嬉しいくせに。

初恋,琴音ちゃんにとられちゃったもんね。



「~っ」



言い返すだけの余裕は,無さそうだった。

またスマホをタップする。



「会えるまで,また電話してもいい?」

『うん,もちろん。いつでもどうぞ。番号,登録しとくね』

「うん。真鈴と里美は分からないけど,私はまた電話するから」

『うん,またね』

「うん。ばいばい」



ピッと切れる。



「~っやったー!!!」



あの頃まだ子供だった私達に,期待なんてほんの少ししか出来なかった。

でも,皆ほんの少し期待していた。

また琴音ちゃんに会える。

……流雨は…

仕方ないかな。

あの時約束したのは琴音ちゃんだけだったから。

もちろん琴音ちゃんと続いていたら,会ってくれるつもりは充分にあっただろうし,流雨だって楽しみにしてくれただろう。

でも…琴音ちゃんにフラれたなら,私達に会うのも気まずいかもしれない。

そして…私はきっと流雨を慰めたり出来ないから。

私は,真鈴の味方だもん!

イケメンも,仲良しな人も,いたら困る。

喜び跳び跳ねる私に,里美が笑いかけてくれた。