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「ね,真鈴! 今日,電話してみよっか。もちろん覚えてないかもしれないし,お互い変わってるかもしれないけど…!」
炭酸なのに持ったまま走り帰った私は,そのままの笑顔で宣言する。
誰にと言わなくても,2人に伝わって。
眠そうにしていた真鈴なんて,カッと目を見開いて飛び起きた。
何を言ったんだと,里美に冤罪がかかってるのも,その目を見れば分かった。
「だって,もう大学生。最早大人と言ってもいい。真鈴なんて大人になりたくて就職を選ぼうか一時期半分本気で考えてたでしょ?」
しらないと思った?
皆そろそろかなって,言わなくてもきっと思ってた。
たかが小2の思い出でも,ボールは真鈴の家の玄関に未だに置いてあるし,あの公園はずっと私達の憩いの場。
それに,3人それぞれ貰った連絡先のメモも,皆持ってる。
薄れてる部分もあれど,定期的に話題になれば,忘れる方が難しい。