「っ……!か、奏くん……恥ずかしいっ……よぉ……」


顔を真っ赤にして、うるうるした瞳でそう言いながら上目遣いしてくる美都。


「……なんだよそれ、やばい」

「えっ……?」

「……おい!なにやってんだー!!」

「わっ!?お父さん!?」


大声を出して、怒りオーラぷんぷんで近寄ってきたのはお義父さんだった。


「騒いでるんじゃない!とりあえず中に入れ!」


そう言われ、屋敷の中に入った俺達。



「……それで、なんのようなんだ?」

「あのっ……実はねお父さん……」

「おおっ!婚約破棄か?」


……チッ、キラキラした目しやがって。


「そんなわけないよ!私、奏くんと結婚するもん!」

「……はっ?」


なにそれ可愛い。


「えっ……?い、嫌だった……?」

「ちがう、嬉しすぎただけだ」

「あっ……な、ならよかった……!」


ふぅと安堵したように胸を撫で下ろした美都。