「え、えっと……あ、し、質問に質問を返さないでください!」

「ふはは、なんだよそれ」


めっちゃ可愛い。


「だ、だってぇ……!」


美都が顔を真っ赤にして照れている中……どうやら、美都の家、花宮屋敷に来たらしい。


ガチャンッと車のドアが勢いよく開けられると。


「みーとー!!」


ギュウッ。


「わっ!?お兄ちゃん……!?」

「……湊都、やめろ」

「……あ、んだよ奏」


ものすごく甘い口調で美都に抱きついたかと思えば、殺気ぷんぷんでこちらを睨んでくるのは、美都の兄であり俺の同級生、湊都だった。


「どうしたの?こっちのお屋敷がよくなっちゃったのかー!じゃあまたお兄ちゃんと毎日お風呂入って、イチャイチャしようねー!」

「な、なに言ってるのお兄ちゃん……!」


本気で焦っている美都。

抱きしめられている美都の手を引いて、ぎゅっと自分の胸に閉じ込めた。


「おい湊都……これ以上美都に触ったら、消すぞ」

「うわ、お兄様に向かってその態度なに?破棄してやろうか」


この腹黒野郎が……。