クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

『奏くん……!お花持ってきたんだ……!』

『とっても綺麗、ありがとう美都』


だから、こうやって美都が俺の元に来てくれることをただ待つことしかできなくて。


……でも、小学生の高学年になって行くに連れ、自由に行動ができるようになって行った。

護身術の厳しい授業も受けさせられたが、それも難なくこなした。


そして、十分に全てやり切った俺は、

一番欲しかったもの、いや唯一欲しかった美都を手に入れれるように、両親を説得した。


なによりも、俺が美都と一緒になることで、しっかりと家を継ぐことが1番の利だと納得してもらたので、婚約できるようになった。


美都の父親は悔しそうにしていたけれど、

美都の母親は嬉しそうにしていた。


そしてなんだかんだで美都を手に入れた……はずだった。



というのも……高校生、いや、中学生の半ばから美都の様子がおかしかった。

ずっと、何かに恋する乙女のような顔をしていて……。