クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「1回目の誓いのキスは、今したいな」


ニヤッと微笑んだ奏くんは、私の唇に綺麗な人差し指を当てた。


「ぬなっ……!!なななっ……!」

「真っ赤になって可愛いな。ふっ、冗談。ほら行くよ」


ぎゅっと手を優しく握られて、そのまま引かれて車から降りる。 

っ……。

頬が赤くなって、ぷしゅーなんて音を出して破裂しちゃわないか心配だ。


「きゃー!久宝様よー!!」


車を降りると、奏くんはいつも通り女の子達にキャーキャー言われている。

けど、本人は嫌そうな顔をしながら、冷徹王子様と呼ばれているの同様に、冷たい無表情で歩き出した。

別に怖いわけではないけれど、このモードの奏くんといるのは少し居心地が悪い気がしていた。


なのに……なのに、今は……!!


「……」


はわっ……カッコいい……!!!

横にいる奏くんを思わずじっと見つめる。


ありえないぐらい、かっこよく見える……そして、私だけ妹のように可愛がってくれている事実がギャップ萌えで、可愛いまで渋滞し始める……!!


本当に、恋っておかしいっ……!!