クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「や、やめて……!離してくださいっ……!」


ビクともしない……。

早く、逃げないと……なんだか、どこかに連れて行かれてしまいそうで……。


その時だった。


ゴンッ!!


ものすごい音と共に、次々と倒れた私のことを掴んでいた男の子2人。


「美都様、遅くなり申し訳ありませんでした」

「あなたはっ……皐月、さん……?」


黒い手袋をカッコよくはめて、私にそう言った皐月さん。


「もしかしたら奏の出番だったかもしれない、そう思ったら出遅れてしまい」

「そ、そうなんですね……って、全然です……!むしろ、助けてくれて本当ありがとうございます」


そう言ってペコペコと頭を下げた。

なんだかすっかり安堵してしまって、胸を撫で下ろした。