クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

私は体育館裏に着いた。


そこには、男の子が……3人、いた。


「え、えっと……お手紙、書いてくれましたか?」


勇気を振り絞ってそう聞く。


うちの高校は、ネクタイの色によって学園が異なるのだけれど……どうやら、中等部3年生らしい。


「あっ……僕です!」

 
顔を真っ赤にしてそう答えてくれた男の子。


「え、えっと……ありがとう、ございます」


ぺこりと頭を下げた。

なんだか、会話するのが気まずいっ……。


「はい……。あ、あの、それで、先輩」

「は、はい」

「僕、先輩のこと、手紙にも書いてあった通り好きなんです……!だから、付き合ってください!」


ぺこりと下げられた頭に、差し出された手。


なんだか、フッてしまうのは可哀想……だけれど、私は奏くんといたい……。

だから……。


「その気持ち、とっても嬉しいです。けど、やっぱり私には奏くんがいるので———」

「それでもいいです!」

「……へっ?!」