クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「こちらこそ、ありがとう」

「えへへ……嬉しい」

「……ああ」


……?奏くん、どうしたんだろう……?


「本当、上目遣いとかやばすぎ」

「?なにか言った……?」

「ん?いやなんでもない」


にっこり微笑んでくれた奏くん。

……よし、奏くんにパワーをもらったことだし……。


「……あの、そろそろ私教室に戻らせてもらっていいかな……?」

「……ああ、そうだな。じゃあ送ってく」

「だ、大丈夫だよ……?」

「美都が大丈夫でも、俺が大丈夫じゃないから」

「うっ……そ、そっか……ありがとう、奏くん」


奏くんの真剣な表情に、またきゅんとしてしまって。

本当に、どれだけズルければ気が済むのだろうか……。