クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「ま、待ってください……!」


むしろ私はぶつかられた側なのだけれど……。


方向だって明らかに反対を向いていたし、私は止まっていたし……自分からぶつかってきて倒れないと無理なことだ。


「転ばせた覚えなんてありません……!」


頑張って声を振り絞った。

ここはちゃんと否定しないと、未来に関わるのことだ。

おそらくこの女性は、私が意地悪をしたことを口実に奏くんの妻の座を奪いたいのではないだろうか。


今まで結構そう言うことあったし、多分そうだと思う。


「美都様……!嘘をおつきにならないでください……!」


嘘なんてついていないのに……!


「あの御令嬢は、早乙女様よね」

「早乙女様はいい噂しか聞いたことがないのだけれど……」

「なんでも、自分はいじめられていたのにいじめてきた側を広いお心で許したとか」


皆が色々なことを言い始める中。


早乙女財閥、聞いたことがある。


品のある財閥で、評判も良い方だとか。


ただ一つ、お兄ちゃんからはそんなこと一切なくて、裏じゃ評判悪いだとか。