「美都……!?どうした……?」


バッと起き上がった奏くんは、優しく私の頬を撫でながら心配そうな顔をした。


「ごめんっ……ね……幸せで、いっぱいいっぱいで……」


小さい頃から花宮家の女として、教え込まれてきた礼儀。

振る舞いや、勉学、何もかも……奏くんの隣に立つためにあったような踏み台にこそ思えて、全て報われたような気がして……。


いろんな感情が、溢れてしまった。


「……そんなの、俺もに決まってるだろ……」


優しくも強く、私を再び抱きしめてくれた奏くん。


「えへへへっ……私、一生奏くんと一緒にいる……もう、離れてあげないっ」

「……なに言ってるんだ」

「えっ?」


や、やばい私つい調子に乗って……!


「一生?永遠だろ、死んでも生まれ変わっても、美都は俺のもんだから」

「か、奏くんっ……!」


誰が言うよりも、奏くんが言ってくれた言葉が一番信用できる。


「嬉しいっ……私、永遠に一緒にいちゃっていいんだね……?」

「当たり前だろ、っていうか……俺の方こそ、いていい?」

「うん、当たり前だよ!」


再び奏くんをぎゅっと抱きしめた。