「喜んでいただきます、本当ありがとうございます」

「いえいえ!こちらこそです!それでは!」

「待ってください美都様!」


思わず止めてしまった。

思っていたよりも、ずっと華奢な美都様の手首。

自分の手で握っていると、ものすごく守ってあげたくなるものだった。

「どうされましたか?」


愛らしく首を傾げる美都様に、胸が締め付けられた。


「っ……美都様……」

「?はい?」

「俺は、貴方が……」


貴方が……。


「とても、大事な主人です」

「……?嬉しい、です!私にとって皐月さんも、大事な執事さんですよ」

「……はい、ありがとうございます」


ああ、だめだ。

つい、言ってしまいそうになった好きと言う言葉。