生きてるだけで奏に感謝されてるぐらいなのに、これ以上やったらアイツも尊死しそうだが……。


「その気持ちだけで、十分だと思いますが、しいて言うなら指輪などいかがでしょうか」

「指輪……ですか」

「はい」

「たしか、指輪には『これからも一緒にいたい』のような意味が込められていましたよね!たしかにそれは名案かもしれません!」


ふふっ、喜んでいてとても愛らしい。

だけど……そんな純粋ではない意味も、女性から男性にプレゼントするとあるのですよ。


そう言うのはやめて、ただ微笑ましい光景を目に焼き付けていた。


「ありがとうございます……!とっても参考になりました!」

「いえいえ」

「もうすぐ奏くんが帰ってきそうなので、私は部屋に戻らせていただきます!あの、良ければこれ紅茶です、とってもお疲れだと思うのでここで休んでってください!」


そう言って差し出された紅茶。

すごい、いつのまに……。