クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

驚いたのか、反射的に自分の名前を読んだくれた美都様に笑みが溢れてしまった。


「あっ……!」


ぎゅっと口元を押さえた美都様。


「もういいではないですか。別に俺達なにもないですし」


ブンブンと左右に首を振った美都様に……どうしてそこまでするのか、気になってきた。


「そこまで奏の言うことを聞いて、何になるのですか?」

「奏くんが傷つかないからですよ」


もう、諦めたのか清々しく笑いながらそう言った美都様。


「……そうですか。理解しかねます。ところで美都様」

「?はい?」

「奏の誕生日プレゼント選び、お手伝いさせていただけませんか?同い年の男子ですし、少しは参考になるかと……」

「だ、だから今話してはだめだって……!」

「ですが、やはり傷つけてしまったのであれば喜ばせることも大事かと」


というか、俺が耐えられない、美都様と話すことが叶わないなんて。

美都様は何か言い詰まったような表情をして、口を開いた。