「付き合ってなんてないに決まってるだろ」

「はぁ!?じゃあ何あの態度!」


多分、咲が勘違いしてる理由は……俺が最近家でコイツに美都様のことばっかり話してたからだろう。


「全部お前の誤解だよ」

「そんなわけっ……っ……私、お兄ちゃんには幸せになって欲しいの!!」


嬉しいこと言ってくれるな。

俺は、美都様のそばにいれるだけで今とても幸せだ。


「美都さんのこと好きなんでしょ!?わかった、私が久宝様のことを奪うから……!だから、美都さんのことはその時に———」

「いいんだ咲」


美都様には幸せでいて欲しい。

咲は久宝のこと、金でしか好けないと思うし。


何より……あの二人を引き剥がせる者など、いるわけがない。

奏は美都様を行きすぎたぐらいに溺愛している。

いや、偏愛している。


それだけならまだしも……あの二人は幼なじみだし、何より……美都様だって、奏のことをものすごく愛していると思う。